  
●鱒浦トーチカ
JR鱒浦駅から南へ約200mの丘の上にある。庄司さんの敷地を通って行かなければならない。今はうっそうと樹木があるが、太平洋戦争当時は見晴らしがよかったかもしれない。トーチカの構造は無筋コンクリート2階建て。右図でもわかる通り、1階と2階の入り口がともに独立している。内部の広さは1階部分が13.4平方メートル、2階部分が10.4平方メートルで、延床面積は23.8平方メートル。網走市8基の中で最大規模と思われる。銃眼口は藻琴方面に向いており、そのコンクリート壁の厚さは180cmと厚い。銃眼口の背後に隔壁がある。天井の高さは180cm。1階部分の通気口は2カ所。外部では4カ所の通気口が確認されている。1階と2階の連絡はこれらの通気口が伝声管の役割をはたしていたものか。発掘当時、床には小動物の頭骨が二つ、弁当箱とガラスのコップが見つかった。戦後誰かが入ったものか不明である。 発掘調査は2001(平成13)年8月2日から2002(平成14)年5月19日まで5回実施。
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